両親が亡くなったあとも精一杯がんばるお里。
きつねのコンはずっと見ていました。
お里が沼津で大雨に遭い帰れなくなった時、
いてもたってもいられなくなったコンは
お里のかわりにお酒をしぼり、人間に化けてそれを売ったのでした。
狐がしぼったお酒なんて知ったらみんな怒るだろうな...。
コンは手に付いた酒粕を、お里の信仰するお地蔵様の
手になすりつけ、神様のおかげ、という事にしました。
お里はいずれコンの事を知り、度々この時の事を訪ねるのですが、
コンは自分がやったとは言わずにいつもこう言うのでした。
「さぁ?狐に騙されたんじゃない?」