ふわりとした落下傘スカートに肩がしっかりした上衣、
横に広がる髪型は1950年頃(ちょうどこの娘が大人になったころ)の
流行りを取り入れています。
文字もその頃の雑誌の表題風にしてみたり。
当時多く見られたクローシェ帽には上から見た時にマルと井のマークを連想させ、
真ん中に藤の字を入れる代わりに藤の花で飾っています。
瞳孔をひし形にするのはいつもですが、ここで使わねばもったいない、
と思い、瞳の中にもマルと斜めの井の字を忍ばせています。
スカートの薄い格子模様には旧店の窓をイメージしました。
5階がかまぼこ型のおしゃれな窓、6階は屋上に続くフェンスです。
髪型と帽子で目立ちませんが、自然に入ったメッシュには年齢が現れています。
(それでも生え際の色は隠せていません)
傘の石突も年齢相応、ステッキ用のゴム底を使っていますが、
それと共に今は珍しいボタン式のバンドには物持ちの良さを、
身近な物を大事にしている優しさを表現してみました。